PRODUCTION NOTES
プロダクションノート
実際に戦った人々が、映画の製作にも参加した『二世部隊』。 その背景を知るための、いくつかの手がかり。
01
約300人が加わった、兵士たちの映画
『二世部隊』に出演した元兵士は、 主要な役を演じる日系出演者たちだけではない。 当時の紹介資料によれば、主要出演者のほかに約300人が参加し、 その多くが第442連隊の退役軍人だった。 エキストラとして画面に加わる人々の中にも、 実際の戦場を知る者が大勢いたのである。
同じ資料は、部隊が使用していた装備や背景を再現し、 映画のリアリティを高めようとした製作側の取り組みも伝えている。 軍服を着る、装備を扱う、仲間と行動する。 映画の中の集団には、そうした生活を経験した人々が含まれていた。
参考: Densho収蔵の当時の紹介資料(25頁) 。約300人全員を442連隊の退役軍人とする記述ではなく、 「その多くが退役軍人」とされている。
02
カメラの前にも、後ろにも戦争経験者
原作・脚本・監督のロバート・ピロッシュ自身も、 第二次世界大戦では歩兵として従軍し、 バルジの戦いを経験した。 『戦場』(1949)の脚本でアカデミー賞を受賞した彼が、 次に原作・脚本と監督を担ったのが『二世部隊』である。
技術顧問には、トマス・W・エーキンス中佐とマイケル正岡が参加。 正岡も第442連隊の従軍経験者だった。 1951年の日本版パンフレットには、 米陸軍省の後援を受けたことも記されている。
本作は、実際の部隊の戦歴を基にした劇映画である。 登場人物や出来事は物語として構成されているが、 その製作には、戦場を知る人々の経験が持ち込まれていた。
03
「GO FOR BROKE」という合言葉
原題の「GO FOR BROKE」は、ハワイで使われていたスラング。 1951年の日本版パンフレットは、 サイコロを振って一か八かの勝負に出る時の言葉として紹介している。 それが第442連隊戦闘団の合言葉となり、映画のタイトルにもなった。
今回の日本語字幕では「当たって砕けろ」と訳した。 映画の中でグレイソンがその意味を尋ねると、 ソラリ大尉は「思い切りやる」と説明する。 部隊の姿勢を表すと同時に、兵士たちが日常の会話で使う言葉でもある。
04
映画出演のあとにも、生活は続く
旧パンフレットの人物紹介には、 出演した日系の人々の戦後の職業まで記されている。 新聞記者、不動産会社勤務、税関職員、楽団のリーダー、大学生。 彼らは映画のためだけに集められた「兵士役」ではなく、 それぞれの生活を持つ人々だった。
軍隊での身のこなしだけでなく、 仲間同士の冗談や音楽、何気ないやり取りも印象に残る。 戦争映画でありながら、兵士になる前と、 戦争を終えたあとの市民生活まで想像させる。 それも『二世部隊』の魅力の1つである。
